課題曲 「黒いデカメロン」 第一楽章 作曲 レオ・ブローウェル
マスタークラス 2008年12月 台北
受講生徒 Sさん 12歳
~生徒演奏~
ありがとうございます。
3楽章全て弾けますか?
12歳で?いやー、すごいですね。
この音楽は、はっきりと言いたいことを主張しています。
5/8拍子のリズム、緊張感が、ミニマリズムの様式に統合されていて_
さて、あなたの右手ですが、手を開く筋肉と、閉じる筋肉の同時使用が見受けられます。
指は1本ずつ弾弦するイメージを持つより、グループで使う意識を持った方が良いと思います。
指には仲の良いグループがあり、i・m、a・chのように区別することができます。
i・mはとても楽に動かすことができますが、特にa・chは簡単に動かすことができません。
サッカーで言うオフサイドみたいなものですね。分かります?(笑)
(スペイン語で「オフ・サイド」は「競技(場)の外」の意味になります。)
誰も容易にa・chはコントロールできません。
ですから、aを使う時はchも同時に意識して動かす(ような)練習をしてみてください。
動くでしょ?
会場:笑
a・chを交互に使ってスケールの練習をするのも悪くありません。
会場:苦笑&汗;
しかしここで皆さんにお勧めできるのはアルペジオの練習です。
ゆっくりとしたテンポで練習を始めて下さい。
弾弦する指以外は、ぶらりと下がっていないといけませんよ。
aが動く時はchが動いてもかまいません。
なにせ一番大事なのは、力まずに自然に指が動かせる奏法を身に付けることです。
速いフレーズを弾く時に、使用しない指にまで力が入っていてはスピードも出ませんし
音色のコントロールもままなりません。
ですから、毎日の時間をかけた丁寧な練習が必要なんです。
誰にとっても問題なんですよ。
~生徒再び最初から演奏~
この音楽にはミニマリズム様式のルーツがあります。その特徴が見えますよね。
ここでは音の頂点・緊張感を演出したら、一気に浄化するようなイメージを持ってください。
こういった種類の音楽を演奏する時には、不用意にリタルダントしないように気をつけましょう。
ディナーミクだけ変化させてください。
ここからリリコ(叙情的に)ですね。音楽の性格が変わります。
aで弾くメロディーの音が他の音を牽引する役目を持っています。
しっかり響かせましょう。メロディーの音が上に向かって上昇するようなそんなトーンで弾きます。
もっとフレーズを歌わせましょう。
音楽には大抵、「舞曲」か「歌」の性格がありますね。
ここはまさしく歌の性格です。
メロディーが途切れないように弾きましょう。
緊張が解けて音が伸びるところは、伸びる音の持続音を聴き、次の音のタイミングやトーンをイメージしましょう。
持続音と同じ音量で次の音が弾けるときれいにつながって聴こえます。
次はトランキーロですね。意味が分かりますか?「静かに」という意味です。
リタルダントしたらちゃんとアテンポしてください。
大きな会場の一番遠い席に大事なお客さんが一人だけいるようなイメージをしてみましょう。
その人に自分の音を聴いてもらうような、そんな演奏をしてみてください。
入場料を払ったお客さんが満足しないのでは問題ですよね。
会場:笑
ここは繊細でありながらも、遠くの聴衆に音を届けるような、そんなイメージです。
最初のテンポに戻りますね。
そしてテンポを保ちながら派手にクレッシェンド。
ここから歌わせます。aの音色に気を配ってください。
急がないで。
このソステヌートは「静かに」と同意語です。
ここから性格が変わります。
歌わせようと思わなくてよいです。
フレーズの閉めのリフレインは、はっきり弾いてください。
最後の音に意味を持たせて。
それ以外の音は流れるように。
ここでブローウェルは数学的な手法を用いながら音楽的バランスを模索しています。
スラーの位置やテンポには全て意味がありますので、勝手に脚色せず、書いてある通りに
音楽が再現するよう弾いてください。
落とすべきところにタイミングを合わせて弾きましょう。
Tempo1になりました。フレーズを滑らかに弾くのは大事ですが、無意識にアッチェルしないように
テンポをキープしましょう。
vivoの所は指示通りfで一気に弾きましょう。スラーのところにはアクセントが落ちますので
音が陰らないようにしてください。
お疲れ様でした。
会場:拍手
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